gf1140156261 旧戸籍法(平成19年5月11日法律第35号施行前)10条1項は、「何人でも、戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書の交付の請求をすることができる」と戸籍公開の原則を維持する一方で、不当な利用を排除し、プライバシーの保護を図るという観点から、戸籍謄抄本等を請求する者(法務省令で定める者を除く)に、請求の事由を明らかにさせることにより、請求が不当な目的によることが明らかなときは、市町村長はこれを拒むことができることとされていた。
 これに対し、除籍については旧戸籍法12条の2により、プライバシーの侵害につながるおそれがないと考えられる者(除かれた戸籍に記載されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属、国又は地方公共団体の職員、弁護士その他法務省令で定める者)を限定列挙し、これらに定める者以外の者は、相続関係を証明する必要がある場合等に限り、除籍謄抄本等の請求をすることができることとされていた。
 このように、自分の情報を他人に知られたくないという意識の高まりを反映してプライバシーに配慮した規定が整備されていたにもかかわらず、実際には他人の戸籍謄本等を不正に取得する事件が発生していた。
 そこで、「誰でも戸籍謄本等の交付請求ができる」という従来の戸籍の公開原則を改めるともに、第三者が戸籍謄本等の交付請求ができる場合を制限する等のために「戸籍法の一部を改正する法律」( 平成19年法律第35号)が成立し、現在に至っている。
 具体的には、戸籍に記載された個人情報を保護するため、戸籍の公開制度を見直し、戸籍の謄抄本等の交付の請求をすることができる場合を制限するとともに、当該請求をする者の本人確認、不正に交付を受けた者の処罰等を行い、また、戸籍の真実性を担保するため、届出の受理の通知手続等を定めるなど戸籍の制度について所要の整備が行われた。
 特に、どのような場合に戸籍謄本等の交付請求ができるのか、当該請求をする者の本人確認の方法及びその記録については平成20・4・7民一第1000号通達によりその取扱いが定められている。
af9920043773 また、戸籍法10条から11条の4までの規定は,除かれた戸籍の謄本若しくは抄本又は除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「除籍謄本等」という。)の交付の請求をする場合に準用することとされているので(戸12条の2),除籍謄本等の交付の請求については,戸籍謄本等と同様に取り扱うものとされている。
そこで、以下、上記通達にもとづいて解説する(なお、平成22・5・6民一第1080号、平成24・6・25民一第1550号により一部改正されているため、以下の解説は当該改正を反映したものである)。