IMG_15502 戸籍の役割

 このように、戸籍は日本国民の身分関係の登録と身分事項の公証というふたつの機能を担っている。これらの機能は、具体的には次のように説明されている。

(1)身分関係の登録


ア 戸籍記載の発動

 戸籍は、人の重要な身分関係の形成事項を登録して明確にする機能と役割を有している。戸籍の記載は、届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判によってなされるが(戸15条)、そのほとんどは届出によるものである。
 ちなみに、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本、裁判には次のようなものがある。

 ① 報告
  水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない(戸89条)

 ② 申請
  父又は母は、棄児を引き取つたときは、その日から一箇月以内に、出生の届出をし、且つ、戸籍の訂正を申請しなければならない(戸59条)

 ③ 請求
  検察官が婚姻取消の訴を提起した場合には、裁判が確定した後に、遅滞なく戸籍記載の請求をしなければならない(戸75条Ⅱ)

 ④ 嘱託
  裁判所書記官は、次に掲げる場合(省略)には、最高裁判所規則で定めるところにより、遅滞なく、戸籍事務を管掌する者又は登記所に対し、戸籍の記載又は後見登記等に関する法律に定める登記を嘱託しなければならない(家事事件手続法116条)

 ⑤ 証書の謄本
  外国に在る日本人が、その国の方式に従つて、届出事件に関する証書を作らせたときは、三箇月以内にその国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその証書の謄本を提出しなければならない。 大使、公使又は領事がその国に駐在しないときは、三箇月以内に本籍地の市町村長に証書の謄本を発送しなければならない(戸41条ⅠⅡ)

 ⑥ 航海日誌の謄本
  航海中に出生があつたときは、船長は、二十四時間以内に、第四十九条第二項に掲げる事項を航海日誌に記載して、署名し、印をおさなければならない。前項の手続をした後に、船舶が日本の港に著いたときは、船長は、遅滞なく出生に関する航海日誌の謄本をその地の市町村長に送付しなければならない(戸55条ⅠⅡ)

 ⑦ 裁判
  戸籍事件(第百二十四条に規定する請求に係るものを除く。)について、市町村長の処分を不当とする者は、家庭裁判所に不服の申立てをすることができる(戸121条)

 

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