3 記載事項

 戸籍は日本国民の身分関係を登録し公証する機能を有するという重要性に鑑み、戸籍の記載は全国的に統一した処理がなされる必要がある。そのため、記載すべき用紙、記載すべき箇所、記載すべき事項等が詳細に定められている。
 例えば、戸籍用紙は、日本工業規格B列四番の丈夫な用紙を用い、一定の様式によつて調製しなければならなず(但し、美濃判の丈夫な用紙を用いることを妨げない)(戸規1条)、戸籍が数葉に渉るときは、市町村長は、職印で毎葉のつづり目に契印をし、かつ、その毎葉に丁数を記入しなければならない(戸規2条Ⅰ)。 戸籍用紙の一部分を用い尽したときは、掛紙をすることができき、この場合には、市町村長は、職印で掛紙と本紙とに契印をしなければならない(戸規2条Ⅱ)。
 戸籍の記載をするには、略字又は符号を用いず、字画を明かにしなければならず、年月日を記載するには、壱、弐、参、拾の文字を用いなければならない(戸規31条Ⅰ、Ⅱ)。 戸籍に記載した文字は、改変してはならず、市町村長は、戸籍の記載をするに当たつて文字の訂正、追加又は削除をしたときは、その字数を欄外に記載し、これに認印を押し、かつ、削除された文字をなお明らかに読むことができるようにしておかなければならない(戸規31条Ⅲ、Ⅳ)。
 戸籍の記載をするごとに、市町村長は、その文の末尾に認印をおさなければならず、市町村長の職務を代理する者が、戸籍の記載をするときは、その文の末尾に代理資格を記載して、認印をおさなければならない(戸規32条Ⅰ、Ⅱ)。
 ただし、法務大臣の指定する市町村長は、法務省令の定めるところにより戸籍事務の全部又は一部を電子情報処理組織によつて取り扱うことができ(戸118条Ⅰ)、その場合においては、戸籍は、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)に記録し、これをもつて調製し(戸119条Ⅰ)、戸籍謄本等又は除籍謄本等に代えて、磁気ディスクをもつて調製された戸籍又は除かれた戸籍に記録されている事項の全部又は一部を証明した書面に年月日を記載するには、アラビア数字を用いることができるなどの特例が設けられている(戸規73条Ⅴ等)。
 戸籍の記載はひな形に定めた相当欄にこれをしなければならず、事項欄の記載は、記載例に従い、事件ごとに行を更めてこれをしなければならない(戸規33条Ⅰ、Ⅱ)。
戸籍様式の様式は別紙のとおり定められ、次のとおり各記載事項欄が設けられている。
 本籍欄
 筆頭者の氏名欄
 戸籍事項欄
 身分事項欄
 父母欄
 父母との続柄欄
 養父母欄(養子となった者につき、縁組の記載をする際に、父母欄の左側に新設する)
 養父母との続柄欄(養子となった者につき、縁組の記載をする際に、父母との続柄欄の左側に新設する)
 配偶者欄(婚姻の記載をする際に、夫婦双方の名欄の上部に新設する)
 名欄
 出生年月日欄
 
 0001

0002

 戸籍には、本籍のほか、戸籍内の各人について、次の事項を記載しなければならない(戸13条、戸規30条)。
   氏名
   出生の年月日
   戸籍に入つた原因及び年月日
   実父母の氏名及び実父母との続柄
    養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
    夫婦については、夫又は妻である旨
    他の戸籍から入つた者については、その戸籍の表示
 上記のほか、身分に関する事項
   届出又は申請の受附の年月日並びに事件の本人でない者が届出又は申請をした場合には、届出人又は申請人の資格及び氏名
   (父又は母が届出人又は申請人であるときは、氏名を除く。)
   報告の受附の年月日及び報告者の職名
   請求、嘱託又は証書若しくは航海日誌の謄本の受附の年月日
  他の市町村長又は官庁からその受理した届書、申請書その他の書類の送付を受けた場合には、その受附の年月日及びその書類を受理した者の職名
  戸籍の記載を命ずる裁判確定の年月日
 氏名を記載するには、次の順序による(戸14条)。
  第一 夫婦が、夫の氏を称するときは夫、妻の氏を称するときは妻
  第二 配偶者
  第三 子  子の間では、出生の前後による。
 戸籍を編製した後にその戸籍に入るべき原因が生じた者については、戸籍の末尾にこれを記載する。
 次に掲げる事項は、戸籍事項欄にこれを記載しなければならない(戸規34条)。
   新戸籍の編製に関する事項
   氏の変更に関する事項
   転籍に関する事項
  戸籍の全部の消除に関する事項
   戸籍の全部に係る訂正に関する事項
   戸籍の再製又は改製に関する事項
 次に掲げる事項は、当該事項に定める者の身分事項欄にこれを記載しなければならない(戸規35条)。
   出生に関する事項については、子
   認知に関する事項については、父及び子
   養子縁組(特別養子縁組を除く。)又はその離縁に関する事項については、養親及び養子
   特別養子縁組又はその離縁に関する事項については、養子、養子が日本人でない者(以下「外国人」という。)であるときは、養親
   戸籍法第七十三条の二 (第六十九条の二において準用する場合を含む。)に規定する離縁の際に称していた氏を称することに関する事項については、その氏を称した者
   婚姻又は離婚に関する事項については、夫及び妻
   戸籍法第七十七条の二 (第七十五条の二において準用する場合を含む。)に規定する離婚の際に称していた氏を称することに関する事項については、その氏を称した者
   親権又は未成年者の後見に関する事項については、未成年者
   死亡又は失踪に関する事項については、死亡者又は失踪者
   生存配偶者の復氏又は姻族関係の終了に関する事項については、生存配偶者
   推定相続人の廃除に関する事項については、廃除された者
   戸籍法第九十八条 又は第九十九条 に規定する入籍に関する事項については、入籍者
   分籍に関する事項については、分籍者
   国籍の得喪に関する事項については、国籍を取得し、又は喪失した者
   日本の国籍の選択の宣言又は外国の国籍の喪失に関する事項については、宣言をした者又は喪失した者
   戸籍法第百七条第二項 から第四項 までに規定する氏の変更に関する事項については、氏を変更した者
   名の変更に関する事項については、名を変更した者
   就籍に関する事項については、就籍者
   性別の取扱いの変更に関する事項については、その変更の裁判を受けた者

 

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