4 記載原因と効力

 戸籍の記載は、届出、報告、申請、請求若しくは嘱託、証書若しくは航海日誌の謄本又は裁判によってなされ(戸15条)、そのほとんどは届出によるものである。したがって、戸籍の正確性は届出の正確性に大きく依存していると言える。そこで、戸籍法は届出、届出の受否の審査等について詳細な規定を定めている。
 届出については、通則と届出の種類ごとの特則を定めているが、通則の定めには次のようなものがある。
例えば、届出は、原則として届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地で書面又は口頭でしなければならないものとし(戸25条、27条)、口頭で届出をするには、届出人は、市役所又は町村役場に出頭し、届書に記載すべき事項を陳述し、市町村長は、届出人の陳述を筆記し、届出の年月日を記載して、これを届出人に読み聞かせ、且つ、届出人に、その書面に署名させ、印をおさせなければならない(戸37条Ⅰ、Ⅱ)。
法務大臣は、事件の種類によつて、届書の様式を定めることができ、届書の様式を定められた場合には、その事件の届出は、やむを得ない事由がある場合を除いて当該様式によってしなければならない(戸28条)。
 届書には、次の事項を記載し、届出人が署名し、印をおさなければならない(戸29条)。
   届出事件
    届出の年月日
    届出人の出生の年月日、住所及び戸籍の表示
   届出人と届出事件の本人と異なるときは、届出事件の本人の氏名、出生の年月日、住所、戸籍の表示及び届出人の資格
 証人を必要とする事件の届出については、証人は、届書に出生の年月日、住所及び本籍を記載して署名し、印をおさなければならない(戸33条)。
 届出事件について父母その他の者の同意又は承諾を必要とするときは、届書にその同意又は承諾を証する書面を添附し、又は、同意又は承諾をした者に、届書にその旨を附記させて、署名、押印をさせなければならず、また、届出事件について裁判又は官庁の許可を必要とするときは、届書に裁判又は許可書の謄本を添附しなければならない(戸38条)。
 これらの届出に対し、市町村長の審査は、届書の記載事項、添付書類、戸籍等によって当該届出が民法や戸籍法等の法令に違反していないか否かを審査する形式的審査主義がとられており、市町村長は、特に重要であると認める事項を記載しない届書を受理することができない(戸34条Ⅱ)。
このような審査を経て戸籍に記載された事項は、特別の事情のない限り真実に合致するものと推定される。

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