「戸籍の勉強部屋」をはじめるにあたって

よく、「司法書士って戸籍のプロだね」っていわれます。

 たしかに、相続関係の大量の戸籍、しかも、明治時代に作られた戸籍などを読み解いてしまう司法書士の姿を見れば、「司法書士は戸籍の専門家だ」と思われるのもあながち間違っていないと思います。
 しかし、実は、司法書士試験の科目に戸籍法はありません。私の知る限り、資格試験で戸籍法の知識を問われるのは行政書士試験だけです。しかし、行政書士試験に出題される戸籍の問題は極めて基本的な知識を問うものです。

 つまり、何が言いたいかというと、実は、戸籍をきちんと勉強した専門資格というのは我が国にはないのです。

 そうした中で、司法書士が、業務の中で他人の戸籍を見る機会がダントツに多いため、自然と戸籍の知識が身についているのだと思います。そして、「司法書士は戸籍の専門家」のように見えるわけです。

 であるならば、そのお褒めの言葉に恥じないようにキチンと戸籍を勉強しようではないかと考え、この「戸籍の勉強部屋」を書き始める次第です。

 これから、少しずつ書いていきたいと思いますので、是非とも叱咤激励をお願いいたします。(平成28年1月15日、一念発起の日にて)

 

目 次

第1章 戸籍制度のあらまし
 Ⅰ 戸籍の役割
  1 戸籍とは
  2 戸籍の役割
  (1)身分関係の登録
    ア 戸籍記載の発動
    イ 届出の種類

  (2)身分事項の公証
 Ⅱ 戸籍制度の変遷
  1 戸籍の起源
  2 明治5年式戸籍
  3 明治19年式戸籍
  4 明治31年式戸籍
  5 大正4年式戸籍
  6 民法の応急措置法施行中の戸籍
  7 現行戸籍
  8 電子情報処理組織による戸籍
 Ⅲ 戸籍の特徴
  1 対象
  2 編成
  3 記載事項
  4 記載原因と効力
  5 渉外戸籍

第2章 戸籍の公証
 Ⅰ 戸籍謄抄本
 Ⅱ 除籍謄抄本
 Ⅲ 記載事項証明書
 Ⅳ 磁気ディスクをもつて調製された戸籍・除籍に記録されている事項の証明書
 Ⅴ 届出書類の写しの請求
 Ⅵ 交付請求
  1 本人等請求
  (1)交付請求権者
  (2)本人確認方法
   (ア)窓口請求の場合
   (イ)送付請求の場合
  (3)権限確認書面
   (ア)窓口請求の場合
   (イ)送付請求の場合
  2 第三者請求
  (1)交付請求権者
  (2)本人確認方法
   (ア)窓口請求の場合
   (イ)送付請求の場合
  (3)権限確認書面
   (ア)窓口請求の場合
   (イ)送付請求の場合
  3 公用請求
  (1)交付請求権者
  (2)本人確認方法
   (ア)窓口請求の場合
   (イ)送付請求の場合
  (3)権限確認書面
   (ア)窓口請求の場合
   (イ)送付請求の場合
  4 弁護士等請求
  (1)交付請求権者
   (ア)3項請求
   (イ)4項請求
   (ウ)5項請求
  (2)本人確認方法
   (ア)窓口請求の場合
   (イ)送付請求の場合
  (3)権限確認書面
   (ア)窓口請求の場合
   (イ)送付請求の場合
  5 統一請求書の利用方法(司法書士を例に)

第3章 戸籍の仕組
 Ⅰ 戸籍行政の仕組
  1 管掌
  2 監督・指導
  3 財政
 Ⅱ 戸籍の届出等と処理
 Ⅲ 戸籍の記載
  1 概説
  2 記載文字
  3 記載方法
  4 氏名の記載順序
  5 消除・訂正・更正
  6 契印・丁数・掛紙

第4章 相続戸籍の見方
 Ⅰ 編成、消除、改製、転籍等
  1 編成と消除
  (1)明治19年式戸籍
  (2)明治31年式戸籍
  (3)大正4年式戸籍
  (4)民法の応急措置法施行中の戸籍
  (5)現行戸籍
  (6)電子情報処理組織を用いてする戸籍
  2 改製と簡易改製
  3 再製
 Ⅱ 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍とは
  1 第1順位の相続人の場合
  2 第2順位の相続人の場合
  3 第3順位の相続人の場合
 Ⅲ 相続人、代襲相続人の戸籍
 Ⅳ 相続関係説明図